ミュージシャンになりたい。
俳優として成功したい。
本当は小説家を目指しているんです。
占いをやっている人なら誰でも、このようなクライアントの「夢」の開示に立ち会う。
占星術には適職占星術というのがあり、占星術の学習が進んだ人なら、それを学んだことがあるだろう。
ティルも「Vocations」という本を出版しており、ロジックやチャート読みも丁寧に説明している。
しかし、個人の職業を最終的に判断するのは難しい。
もし、個人のホロスコープにアーティストとしての才能が示されている―――たとえば魚座や海王星が強調され、クインタイルが多くあり、5ハウス入室の天体がMCと関連していて、5ハウスの支配性が職業的に優位な状態にあることを確認したとしたら、占星術師は創造的な能力の方向性を示さずにはいられない。
けれど、その人物が30歳の男性で小さな劇団に所属し、舞台の稽古をする以外はコンビニでバイトしていたとしたらどうだろう。
または40歳を前にして、売れないミュージシャンが「いつ成功できますか?」と尋ねてきたら?
その時、たいてい占星術師は、自分の価値観の範囲で彼らにジャッジを下す。
どれほど素晴らしいクリエイティブな可能性をホロスコープが示唆していたとしても、多くの占術家は占星術的ロジックではなく、現実的な感性を使う。
容姿や雰囲気、経済状態などを観察し、「この年で売れていないなら無理だろう」という結論をくだす。
特に、山羊座や土星が強調されたチャートを持つ占星術師は、その判断は早い。
確かにそうなのかもしれない。
では、彼らの表現や創造の可能性とそのエネルギーはどこへいくのだろう。
占星術師の判断で、20年間努力してきた可能性を一瞬にして奪うことは、はたして正しいことなのだろうか?
また逆もしかりだ。
火サインや海王星が優勢な占星術師は、往々にして個人の夢を積極的に応援する。
「あなたはアーティストにふさわしいホロスコープを持っている。努力を続ければ絶対に成功する」と言うかもしれない。
占星術師は、本当に彼らの成功を確約できるのだろうか。
それは、彼らに叶わぬ夢を見せることにならないのか?
さて、みなさんは、どちらの傾向が強いタイプだろう。
現実を見るよう促すタイプか、手放しに応援したくなるタイプか。
自分の傾向を知っておくことは、自分のスタイルの客観的な見直しのためにも重要だ。
その上で、常識や社会状況などを組み込んでいく必要がある。
適職占星術は成功を約束するものではなく、ひとつの可能性を示すものだ。
5ハウスやクインタイルは、言わば人生を楽しむためのエネルギーへの衝動。
魚座や海王星は、夢やビジョンを見る力だ。
けれど、それだけでは、やはり仕事として成功することは難しい。
7ハウスの人々への働きかけの力も重要かもしれない。
協調性を重んじる日本では、才能だけではなく対人能力も成功には重要な能力だ。
また土星の現実的で長期的なエネルギーなしには、職業として成功するのは難しいとも考えられる。
でも、そこを考慮してもなお、やはり人から「夢」を奪う権利はないと私は考える。
私たちは、親や友人ではなく占星術師だ。
彼らの人生を心配するのではなく、ホロスコープから読み取れるものを正確に伝えるのが仕事なのだ。
たとえ、常識から考えれば無謀に見える夢であっても…
そんな時、クリエイティブな才能を活かすることのできる方向性の候補をいくつかあげておくのもよい。
それは、クライアントと話しながら決める。
他に得意なものはあるか、これならやってみてもいいという職業はあるか。
それには、天体やサインの象徴も使う。
またはソーラーアーク、プログレス、トランジットを使い、タイムリミットを設定する。
ショートバージョン(半年くらい)と、ロングバージョン(2~3年の間)の時期を確認し、変化させやすい時期(ハーモ4のアスペクト)を見つけ、そのタイミングで「夢」を追いかけた結果や成果を意識してもらう。
時間は限りあるものだという実感を持つことで、自分の人生に責任を持つことだできるからだ。
もし、まだ自分の判断に自信が持てない占星術家は、ホロスコープ解釈を再確認する必要もあるかもしれない。
ティル本のケーススタディ4のコンサルテーションの中で、本を書きたいというマリオンの欲求について、ティルは、変化の過程において、水星が強調されたチャートを持っている場合、緊張を緩め、変化を遅らせるため、書くという方法で自分を守りたいという衝動が働くと言っている。
私もコンサルテーションで、このような状況に何度も遭遇したことがある。
けれど、うっかり受け身のコンサルテーションをしていると、「本を書きたいんです!」というクライアントの夢に対し、「それは素晴らしいアイデアですね」と言ってしまいそうになる。
クライアントのポジティブな決断に対して、「NO!」というのは意外と難しい。
そんな時、こういった占星術的なシビアな見解は重要になる。
それを夢と取るのか、防衛と取るのか。
その判断を誤れば、彼らの人生に無駄足を踏ませる結果にもなる。
ティルは、物を書くエネルギーを学校のカリキュラムガイドの枠組みを作ることに意識を向けさせ、彼女のクリエイティブなエネルギーを建設的に使うアドバイスをした。
このやり方は、私も100%賛成だ。
どんな問いかけに対しても、YESやNOで答えることは簡単だ。
でも、人生はそんなに簡単ではない。
だから、せめてホロスコープ解釈の学習を重ねる努力だけは惜しまないようにしたい。
私たちができるのは、それくらいだ。
俳優として成功したい。
本当は小説家を目指しているんです。
占いをやっている人なら誰でも、このようなクライアントの「夢」の開示に立ち会う。
占星術には適職占星術というのがあり、占星術の学習が進んだ人なら、それを学んだことがあるだろう。
ティルも「Vocations」という本を出版しており、ロジックやチャート読みも丁寧に説明している。
しかし、個人の職業を最終的に判断するのは難しい。
もし、個人のホロスコープにアーティストとしての才能が示されている―――たとえば魚座や海王星が強調され、クインタイルが多くあり、5ハウス入室の天体がMCと関連していて、5ハウスの支配性が職業的に優位な状態にあることを確認したとしたら、占星術師は創造的な能力の方向性を示さずにはいられない。
けれど、その人物が30歳の男性で小さな劇団に所属し、舞台の稽古をする以外はコンビニでバイトしていたとしたらどうだろう。
または40歳を前にして、売れないミュージシャンが「いつ成功できますか?」と尋ねてきたら?
その時、たいてい占星術師は、自分の価値観の範囲で彼らにジャッジを下す。
どれほど素晴らしいクリエイティブな可能性をホロスコープが示唆していたとしても、多くの占術家は占星術的ロジックではなく、現実的な感性を使う。
容姿や雰囲気、経済状態などを観察し、「この年で売れていないなら無理だろう」という結論をくだす。
特に、山羊座や土星が強調されたチャートを持つ占星術師は、その判断は早い。
確かにそうなのかもしれない。
では、彼らの表現や創造の可能性とそのエネルギーはどこへいくのだろう。
占星術師の判断で、20年間努力してきた可能性を一瞬にして奪うことは、はたして正しいことなのだろうか?
また逆もしかりだ。
火サインや海王星が優勢な占星術師は、往々にして個人の夢を積極的に応援する。
「あなたはアーティストにふさわしいホロスコープを持っている。努力を続ければ絶対に成功する」と言うかもしれない。
占星術師は、本当に彼らの成功を確約できるのだろうか。
それは、彼らに叶わぬ夢を見せることにならないのか?
さて、みなさんは、どちらの傾向が強いタイプだろう。
現実を見るよう促すタイプか、手放しに応援したくなるタイプか。
自分の傾向を知っておくことは、自分のスタイルの客観的な見直しのためにも重要だ。
その上で、常識や社会状況などを組み込んでいく必要がある。
適職占星術は成功を約束するものではなく、ひとつの可能性を示すものだ。
5ハウスやクインタイルは、言わば人生を楽しむためのエネルギーへの衝動。
魚座や海王星は、夢やビジョンを見る力だ。
けれど、それだけでは、やはり仕事として成功することは難しい。
7ハウスの人々への働きかけの力も重要かもしれない。
協調性を重んじる日本では、才能だけではなく対人能力も成功には重要な能力だ。
また土星の現実的で長期的なエネルギーなしには、職業として成功するのは難しいとも考えられる。
でも、そこを考慮してもなお、やはり人から「夢」を奪う権利はないと私は考える。
私たちは、親や友人ではなく占星術師だ。
彼らの人生を心配するのではなく、ホロスコープから読み取れるものを正確に伝えるのが仕事なのだ。
たとえ、常識から考えれば無謀に見える夢であっても…
そんな時、クリエイティブな才能を活かすることのできる方向性の候補をいくつかあげておくのもよい。
それは、クライアントと話しながら決める。
他に得意なものはあるか、これならやってみてもいいという職業はあるか。
それには、天体やサインの象徴も使う。
またはソーラーアーク、プログレス、トランジットを使い、タイムリミットを設定する。
ショートバージョン(半年くらい)と、ロングバージョン(2~3年の間)の時期を確認し、変化させやすい時期(ハーモ4のアスペクト)を見つけ、そのタイミングで「夢」を追いかけた結果や成果を意識してもらう。
時間は限りあるものだという実感を持つことで、自分の人生に責任を持つことだできるからだ。
もし、まだ自分の判断に自信が持てない占星術家は、ホロスコープ解釈を再確認する必要もあるかもしれない。
ティル本のケーススタディ4のコンサルテーションの中で、本を書きたいというマリオンの欲求について、ティルは、変化の過程において、水星が強調されたチャートを持っている場合、緊張を緩め、変化を遅らせるため、書くという方法で自分を守りたいという衝動が働くと言っている。
私もコンサルテーションで、このような状況に何度も遭遇したことがある。
けれど、うっかり受け身のコンサルテーションをしていると、「本を書きたいんです!」というクライアントの夢に対し、「それは素晴らしいアイデアですね」と言ってしまいそうになる。
クライアントのポジティブな決断に対して、「NO!」というのは意外と難しい。
そんな時、こういった占星術的なシビアな見解は重要になる。
それを夢と取るのか、防衛と取るのか。
その判断を誤れば、彼らの人生に無駄足を踏ませる結果にもなる。
ティルは、物を書くエネルギーを学校のカリキュラムガイドの枠組みを作ることに意識を向けさせ、彼女のクリエイティブなエネルギーを建設的に使うアドバイスをした。
このやり方は、私も100%賛成だ。
どんな問いかけに対しても、YESやNOで答えることは簡単だ。
でも、人生はそんなに簡単ではない。
だから、せめてホロスコープ解釈の学習を重ねる努力だけは惜しまないようにしたい。
私たちができるのは、それくらいだ。
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