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nicosmic life --- 心理占星術と未完成な日々

私たちは誰でも宇宙のエネルギーを利用することができる
異物感覚との闘い
すべての母親にとって、子どもは異物以外の何ものでもない。
妊娠中は身体的に、生んでからは、たぶん一生続く、逃れられない異物との闘い…

今日、そんなメールをもらい、私のこころを強く動かした。
母親は誰しも皆、大きな不安と勇気を持って、子供を孕み、産み、育てている。
自己を放棄し、子に身を捧げる。
そして、そこから再度、自己を再び作り上げていかなければならない。
恐らくそれは、大変な再生の物語なのだろう。

昔、知り合いが妊娠中毒症になったとき、子供を生むという闘いについて考えさせられたことがあった。
妊娠中毒症とは、妊娠初期の胎盤が作られる時期に、母体が順応できずそれが後期になってから症状となって現れるといわれている。
異物に苦しめられながらも、それでも我が子を腕に抱きたいと望む。
死と隣り合わせの生の体験に圧倒させられたことを、私は今でもよく覚えている。


自分を無にして、徹底的に異物を呑み込む。
そこには、過去も未来もないんです。
あったら飲み込めないんです。
自分を崩壊させてまで、生み出してるという力、推進していく力…これって安易な意味ではない、親から子どもに対する愛なんだろうなと思ってます…


メールはこう続いていた。
究極、すべては愛なのだと思う。

今日、他の生徒さんからも、子供に対する愛情の話を聞いた。
自分よりも他者を愛するという行為。
これこそが冥王星の変容には必要なのかもしれない。

セクシュアリティも蠍座=冥王星の担当だけれど、性的な行為も女性にとっては異物を受け入れる行為である。
もしかしたら、その行為を通して自己を傷つけることもあるだろう。
それが拭い去れないこころの傷として、一生引きずることになるかもしれない。
そういった覚悟があるからこそ、無情の恍惚感もそこにはある。
おかしな話だが、私も一晩で人生が変わってしまった性的体験をいくつか持っている。
もう、あとには引き返せないという変容の体験だ。

しかし年を取ると異物の感覚との闘いは少なくなる。
よく講座でも話をしているが、中年の危機をどう過ごしたかによって、閉じていく人と開いていく人の差は歴然だ。
閉じていく人は変化を恐れ、人生を恐れ、やがて活力を失い、単調な生活に埋没していく。
そして難しい体験をすると、それはすべて他者や環境のせいだと感じ、生きるスペースはどんどんと狭まっていくことになるだろう。

自ら変容の体験に飛び込んでいくのは難しい。
なぜなら人を通してしか、人は変わっていくことができない。
そして、自分以外の他者を愛するという行為こそ、その体験にふさわしい。

この仕事は、つまり他者の人生を扱うという行為は、変容の体験に近い感覚を与えてくれることがある。
人の人生を通じて、自己の価値観が変化することも多い。
子供を持つというほどの大きな変容体験はできないにしても、もし心理占星術を真面目に勉強したなら、もう一度、自分を作り変えるきっかけになることもあるかもしれないと、私は考える。
それくらい丁寧に他者と向き合えば、そんな奇跡も、ごくごくまれに起こるかもしれない。

だから、私はこの仕事を続けられているのだと思う。
たとえ一瞬でも、自分以外の人間に愛情を傾けられていると感じるからだ。
この行為を通じて、私は自己の心のメンテナンスを行っている。
また、異物感覚との闘いから見えてくる自己価値の実感もある。
とにかく、すべてが発見と成長だ。

今日は、別の講座でも蠍座の説明をしたね。
そういえば、月は蠍座を運行していたんだね。

Mさん、いつも私の心を動かしてくれるメールをくれて本当にありがとうございます!
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