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nicosmic life --- 心理占星術と未完成な日々

私たちは誰でも宇宙のエネルギーを利用することができる
月と無知
暑くなってきましたね。
みなさん、元気でやっていますか?
私は、ここ1週間で4回財布を忘れて出掛け、数々の人に迷惑をかけまくっている。
ここまで続くと確信犯の匂いもしてくるけど、しっかりしなくては。
気を引き締めていかないと。

先ほど、基礎講座に参加してくれている生徒さんから、とても素晴らしい質問をいただきました。
どれも現場向きの良い質問でしたが、きっと皆さんも疑問に思っているだろう「月」について、今日は説明しようと思います。

質問内容は、

月は「所属感覚」「私的感覚」というですが、本当は~のように思っていることは誰にも分からないという説明とどう繋がるのか。
本当に思っている事は分からないとなると、ホロスコープで月を読む時には、どのように読むのか。
西洋占星術では、「~の時がリラックスしているあなたですね」というように読むけれど、分析に終わっているような気がする。

ということです。
そうですね。
私の説明ではわかりにくかったですね。

基礎講座の第1回目が終わったばかりなので、「月」をどう読むかまで、なかなか説明しきれないのですが、
真面目に答えると、ホロスコープ上の月を考える際、実際、見るべきポイントはいくつもあるのです。

まず、月の状態から0歳~7歳の幼少期の物語をイメージしておきます。
または、母親の傾向も読むことができます。
これらは、クライアントとの会話のためではなく、こちらの情報として、まずはイメージしておくだけです。
そして、半球の強調から月と土星のバランスを見ます。
つまり、公的と私的のバランスということです。
または、月と4ハウスの状態を比べておくことも大切です。
そこに矛盾があると、クライアントの物語に沿うことができません。
そして、蟹座がカスプのハウスも確認します。
そこから、月と環境との関係性も考えます。

上記のことから得られた印象を総合的に見て、そのうえで、「この人は月をどう感じているのか」をまず考えておきます。
またトランジットが月に影響しているかどうかも見ます。

そして実際、クライアントと向き合った時は、これらの情報から離れ、彼/彼女の語りに耳を傾けていきます。
実は、月が喜ぶのは、ここなのです。
月は「わかっている」と思ってはほしくないけれど、「わかりあいたい」「理解されたい」とは望んでいます。
質問に書いてあったような「~の時がリラックスしているあなたですね」は、一方的なので、そこは質問を変えて聞いてみるといいです。

そして、月の安心を引き出すためには、「無知」の姿勢を取るのがいいです。
「占い師さんは何でもわかるんでしょう」というクライアントさんに対し、しっかり応えなくちゃ!と焦ることもあるかもしれませんが、心理占星術ではそこはグッと我慢です。

セラピーは、「○○問題」ではなく、「セラピストの生きる世界、クライアントの生きる世界」への関心によって結び付けられるシステムです。
そこでは、「無知の姿勢」が重要な架け橋になります。
つまり、「クライアントの生きる世界」について無知なわけですから、「深く知りたい」「教えてもらう」という姿勢が大切になってくるということです。
この辺は、社会構成主義の考え方です。

なので、「月」を診断の中に取り入れたい場合は、相手にたくさん質問するといいです。
例えば、「~の時がリラックスしているあなたですね」ではなく、「どのような時にリラックスできますか」と素直に聞いてみる。
すると、思いもよらない答えが返ってくることを、私自身、何度も経験しています。
それは聞いてみないとわからないです。
そこに興味を示してさらに質問を重ねていくと、多少かもしれませんが、クライアントの安心、「わかり合えた」という感覚を引き出せるのかもしれませんね。

なので、「本当に思っている事は分からないとなると、ホロスコープで月を読む時には、どのように読むのか」という質問の答えとしては、月は読むものではなく聴くもの、理解するものと考えてみるといいかもしれません。

最近のブログで頻繁に書いている「早期回想」は、物語としては秀逸です。
それはいつかまた、練習してみましょうね。

でも、実際は「今、この人には月の話は必要ない」と思えば、月の話はスルーすることも、ままあります。
火エレメントに集中したいという時もあれば、金星と火星のバランスについて1時間費やすときもありますし、または今日のコンサルテーションでは、土星ー天王星の話を中心にして、個人天体にあまり触れることなく終わりました。

伝える必要がある時、その会話が効果的に働く時、妥当だと確信した時、「今」必要な天体の象徴を話題にすればいいと、私自身は考えています。

でも、とても良い質問です。
Nさん、ありがとうございました。

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