先週、占いアカデミーで訳書『占星術と神々の物語——ホロスープの中の元型』の出版記念講演的なものに出演した際、鏡さんから「現場における占星術と神話の話をnicoさんにお話しいただきましょう」と話を振っていただいたので、こんなふうに話を始めさせてもらいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
時代が大きく変化している時、占星術を学んでいると変な言い方ですが、「安心して不安や絶望を味わえる」ようになってきました。
これはワークショップに感想を寄せてくれた生徒さんの言葉です。
これこそがまさしく私たちが神話、もしくは占星術を必要とする理由なのではないか。
避けられない宿命というものを背負いつつも自分の役割を生きる、それが神話、もしくは占星術の在り方なのではないか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この会でも話をしましたが、私の基礎講座を受けていただくとわかりますが、私の心理占星術で扱う象徴は基本的に神話をベースにしたものではなく、おそらく占星術の本流——自然学、自然科学をベースにした象徴を扱うこと、つまり天文学的知識をベースに意味づけした象徴を扱うことが圧倒的に多いです。
21世紀になって、火星に大量の水の存在を示す証拠が見つかった、木星は太陽系形形成過程の壊し屋だったなど、まさに天体のパーソナリティを豊かにするような説が私たちのもとに届けられてきており、私たち占星家は、存分にすでに社会の共通認識となっている情報を扱うことを許されているわけで、そうしたら何も双子座を考える際に「双子の兄弟・カストルとポルックス」の話ばかりしなくていいんじゃないの、もっとその支配星の水星をもっと豊かに語ることができるんじゃないのか、そのほうが時代に心理を考えるのにふさわしいのではないか、というのが、これまでのところの私の心理占星術に対するアプローチだったわけです。
が、今回、神話の本を翻訳させていただくにあたり、もう一度、神話というのにしっかり向き合ってみようと決めたときに、パンデミックがあり、さえない政治、さえない五輪、不透明な未来があり、あーこれは神話だな、これこそ神話が必要だなと確信を持ったときに、このような感想を生徒のMMさんからいただき、そして神話を少しだけ語る機会をいただきました。
講演会では、世界神話大辞典から神話に関する大事な考え方を2つ引用し、話をしました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
神話とは世界、動物、植物、それに人間の起源にかかわらず、原初のあらゆる出来事を物語る神話は、世界のことを説明し、世界の中で生存するまともな方法を説明する。
神話を知ることは、いろいろなものがどうやって存在するようになったのかを学ぶことである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おー!
これぞまさに火星プロジェクトで引用する三木清の「虚無からの形成力」ですね。
世界は何もないところから始まった。
神々も何もないところから始めた。
ならば、私たちも何もないところから始めるしかないではないか?
ということになる。
この引用文は、このように続いていきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
神話は常に「創造」に関係する。それはなにやら訳のわからぬものがどうやって実体にたどり着いたのか、またある活動、ある行動、ある制度、ある労働様式が生み出されたのかを物語る。
だからこそ、神話は人間のあらゆる重要な活動の模範となる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なにやらわからぬもの」たちが人間を不安に陥れている現代において、私たちがどう生きるのか、どう活動、行動し、どんな制度とつくり、どう働くのか、そういった「創造」の仕組みを神話は教えてくれるのだということだ。
でも、まさしくそうだ。
ばかばかしく思えたマスクやアクリル板、ソーシャルディスタンスは制度化され、それに合わせて働き方は変わっていった。
「なにやらわからぬもの」が私たちを「創造」へと向かわせているわけであり、これこそが神話なのだ。
とまあ、そんな話をちょことっとだけさせてもらい、そのあとは、『占星術と神々の物語』の太陽、水星の章を開いて、現場で使える象徴の扱い方などをお話ししました(これはいつかワークショップなどでしっかりやってみたいなーと思っています)。
すっかり、MMさんの言葉に触発され(天秤座火星期の盗人魂ですね!)、いいアイデアを「創造」することができました。
MMさん、ありがとうございました。
最後に、この会に参加してくれた生徒さんからうれしい感想をいただいたので、そちらをシェア。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昨日の出版記念の対談を拝聴いたしました。
本当にいろんな方面から学ぶことのできる会でした。
ありがとうございました。
日本では伊泉先生、鏡先生といえば、ある地位を確立されているお二人。
そこで対等にニコさんの占術を語っていらっしゃるお姿。
まして独自で生み出された読み解きを臆することなく披露され、
それはもちろん多くの経験と実践などから積み重ねられた今なのでしょうが、
今まで習ってきた在り方をしっかり体現されていてお手本を見せていただいているようでした。
これが私の惚れ込んだ占術!と、本人でもないのに得意げな気持ちで聴いておりました。
まだまだ私の軸も怪しいものですが、これからも頑張りたいと思います。
ありがとうございました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
涙…
うれしいですね。
Dさん、ありがとうございます…
そうです!自信をもって皆さんにお伝えしている占術、これからもどんどん利用、活用していただけたらうれしい限りです。
ということで、今日は神話の面白さを少しだけ紹介させていただきました。
山羊座のパン神とか、小惑星群の話とか、まだまだ知られていない神話もたくさんあるので、これからぼちぼちワークショップなどを開催できたらと思っています!
神話を生きるなら、火星サイクルを体験するのが早いかも!
「虚無からの形成力」ぜひ自分らしい生き方を「創造」するためのきっかけにしてみてね。
詳細は、ぜひこちらから!
↓ ↓ ↓
”わたし”をつくろう! ”わたし”を生きよう! 火星の旅をはじめよう
nico
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時代が大きく変化している時、占星術を学んでいると変な言い方ですが、「安心して不安や絶望を味わえる」ようになってきました。
これはワークショップに感想を寄せてくれた生徒さんの言葉です。
これこそがまさしく私たちが神話、もしくは占星術を必要とする理由なのではないか。
避けられない宿命というものを背負いつつも自分の役割を生きる、それが神話、もしくは占星術の在り方なのではないか。
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この会でも話をしましたが、私の基礎講座を受けていただくとわかりますが、私の心理占星術で扱う象徴は基本的に神話をベースにしたものではなく、おそらく占星術の本流——自然学、自然科学をベースにした象徴を扱うこと、つまり天文学的知識をベースに意味づけした象徴を扱うことが圧倒的に多いです。
21世紀になって、火星に大量の水の存在を示す証拠が見つかった、木星は太陽系形形成過程の壊し屋だったなど、まさに天体のパーソナリティを豊かにするような説が私たちのもとに届けられてきており、私たち占星家は、存分にすでに社会の共通認識となっている情報を扱うことを許されているわけで、そうしたら何も双子座を考える際に「双子の兄弟・カストルとポルックス」の話ばかりしなくていいんじゃないの、もっとその支配星の水星をもっと豊かに語ることができるんじゃないのか、そのほうが時代に心理を考えるのにふさわしいのではないか、というのが、これまでのところの私の心理占星術に対するアプローチだったわけです。
が、今回、神話の本を翻訳させていただくにあたり、もう一度、神話というのにしっかり向き合ってみようと決めたときに、パンデミックがあり、さえない政治、さえない五輪、不透明な未来があり、あーこれは神話だな、これこそ神話が必要だなと確信を持ったときに、このような感想を生徒のMMさんからいただき、そして神話を少しだけ語る機会をいただきました。
講演会では、世界神話大辞典から神話に関する大事な考え方を2つ引用し、話をしました。
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神話とは世界、動物、植物、それに人間の起源にかかわらず、原初のあらゆる出来事を物語る神話は、世界のことを説明し、世界の中で生存するまともな方法を説明する。
神話を知ることは、いろいろなものがどうやって存在するようになったのかを学ぶことである。
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おー!
これぞまさに火星プロジェクトで引用する三木清の「虚無からの形成力」ですね。
世界は何もないところから始まった。
神々も何もないところから始めた。
ならば、私たちも何もないところから始めるしかないではないか?
ということになる。
この引用文は、このように続いていきます。
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神話は常に「創造」に関係する。それはなにやら訳のわからぬものがどうやって実体にたどり着いたのか、またある活動、ある行動、ある制度、ある労働様式が生み出されたのかを物語る。
だからこそ、神話は人間のあらゆる重要な活動の模範となる。
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「なにやらわからぬもの」たちが人間を不安に陥れている現代において、私たちがどう生きるのか、どう活動、行動し、どんな制度とつくり、どう働くのか、そういった「創造」の仕組みを神話は教えてくれるのだということだ。
でも、まさしくそうだ。
ばかばかしく思えたマスクやアクリル板、ソーシャルディスタンスは制度化され、それに合わせて働き方は変わっていった。
「なにやらわからぬもの」が私たちを「創造」へと向かわせているわけであり、これこそが神話なのだ。
とまあ、そんな話をちょことっとだけさせてもらい、そのあとは、『占星術と神々の物語』の太陽、水星の章を開いて、現場で使える象徴の扱い方などをお話ししました(これはいつかワークショップなどでしっかりやってみたいなーと思っています)。
すっかり、MMさんの言葉に触発され(天秤座火星期の盗人魂ですね!)、いいアイデアを「創造」することができました。
MMさん、ありがとうございました。
最後に、この会に参加してくれた生徒さんからうれしい感想をいただいたので、そちらをシェア。
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昨日の出版記念の対談を拝聴いたしました。
本当にいろんな方面から学ぶことのできる会でした。
ありがとうございました。
日本では伊泉先生、鏡先生といえば、ある地位を確立されているお二人。
そこで対等にニコさんの占術を語っていらっしゃるお姿。
まして独自で生み出された読み解きを臆することなく披露され、
それはもちろん多くの経験と実践などから積み重ねられた今なのでしょうが、
今まで習ってきた在り方をしっかり体現されていてお手本を見せていただいているようでした。
これが私の惚れ込んだ占術!と、本人でもないのに得意げな気持ちで聴いておりました。
まだまだ私の軸も怪しいものですが、これからも頑張りたいと思います。
ありがとうございました。
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涙…
うれしいですね。
Dさん、ありがとうございます…
そうです!自信をもって皆さんにお伝えしている占術、これからもどんどん利用、活用していただけたらうれしい限りです。
ということで、今日は神話の面白さを少しだけ紹介させていただきました。
山羊座のパン神とか、小惑星群の話とか、まだまだ知られていない神話もたくさんあるので、これからぼちぼちワークショップなどを開催できたらと思っています!

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nico
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