nicosmic life --- 心理占星術と未完成な日々

私たちは誰でも宇宙のエネルギーを利用することができる
蟹座の悲しみ、そして魅力
先日、私よりずっと年上の蟹座の友人宅にお邪魔し、長々と話し込んだ。
ピアノの上に並べられた家族写真、壁に掛けられた子供たちの絵、大切に育てているバラ、贈り物の日本人形…
彼女の人生に寄り添うものたちのエピソードを聞きながら、ささやかだけれど何かとても懐かしい、言葉にするのが難しい小さな悲しみ、そういったものに触れたような気がした。
蟹座の人の言葉に、私はいつも深い眠りについた記憶を刺激される。
古い手紙を読み返しているような、昔の私を見ることができるときもある。

帰りがけに、一番摘みのバラを持たせてくれた。
いい香りのするベージュ色のバラだ。
夕暮れ、気持ちのいい風が吹き、私はすっかり気分を良くしていた。

その夜、彼女からメールが届いた。
昼間、私たちが男女の愛について語り合ったことをずっと反芻していたが、ようやく自分の欠落していたものに気がついたというのだ。
その内容は、こんな感じだ。
自分は愛情が豊かであることは知っているが、男女の愛に飛び込めない不安をずっと抱えていた。
一対一男女の結びつきに、愛を成立出来ない哀しみを持ち、また肉体の介在しない愛に憧れるという、そういった本末転倒な気持ちで今まできたような気がする。

そうか、なるほどと思う。
恋愛などの「他者」への愛が育つのが獅子座からだとしたら、蟹座は、その豊かな愛情をどうしたって持て余してしまうだろうと。
今まで鑑定で感じていた蟹座の人の恋愛観の複雑さを、私はもしかしたら見過ごしてきたのかもしれないと思った。

サインのカテゴライズでは、獅子座から蠍座は、「あなたと私」という相互間のパースペクティブを学ぶ火地風水となる。
そこで実際の現場での人間関係――自己を開示(獅子座)し、自己を調整(乙女座)し、交流を広げ(天秤座)、交流を深める(蠍座)――を学んでいくのだ。

蟹座は、他者を知る一歩手前の段階のサインであるから、自己開示がなかなかできず、自分を他者に明け渡すことを躊躇してしまうかもしれない。
その後、体験を積みながら、獅子座へと向かっていく勇気を育てていくことになるが、それでもやはり、他者に向かう不安はある。
どのサインより、それは勇気のいることだ。

蟹座の月を持つアナイス・ニンが精神分析家との対話を日記にこう綴っている。

博士:どうして喋らないのです? 他人はあなたに不安や疑念を打ち明ける。だがあなたはめったにそんなことをしない。なぜです? 愛されなくなることを恐れてですか?

アナイス:そうです。私は愛されたいために一種の殻で自分を包んでいるのです。もし本当のアナイスをさらけ出したら、愛されなくなるかもしれませんもの

博士:人があなたに打ち明け話をしたとき、あなたはどんな気がするか考えてみたことがありますか? あなたはその人を愛さなくなりますか?

アナイス:いいえ、その反対ですわ。私は同情とか共感を感じます。その人たちをもっとよく理解するようになり、親近感を抱くようになります。

博士:つまるところ、あなたは何をそんなに恐れているのです?率直に目を向けてみましょう。あなたが一番恐れていることは?

アナイス:私が何よりも恐れているのは、人が私のことをひよわで、肉体的に未熟な女で、感情におぼれやすく、少女のような胸をしている、と感づいてしまうことです。だからわたしはこのすべての理解力や賢明さや他人への関心で、こころの機敏で、書いたり読んだりすることで覆い隠しているのです。私は自分の中の女を覆い隠して、芸術家、告白者、友人、母、姉だけを見せているのですわ。

蟹座の人たちが、内なるこころを言葉にするという特異な才能を持つのは、つまりこういう恐れがあるからかもしれない。
そして私の中に奥に潜む少女への憧れに対する刺激も、また蟹座の人たちからの刺激によるものなのであろう。
それがどれほど魅力的であるか、蟹座の人たちはどれだけ気がついているのだろうか。

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